SHERLOCK/シャーロック 5 ピンク色の研究(1) ジョンとセラピストの会話

SHERLOCK/シャーロック

第一回の「ピンク色の研究(A Study in Pink)でまず登場するのが、アフラニスタン戦争の戦闘シーン。戦傷で本国に送還されて、ロンドンでリハビリ生活を送るジョン・ワトソンの悪夢です。PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)にかかったワトソンはエラ(Ella)というセラピストの治療を受けています。

01:32-2:07にあたる場面です。

英語のセリフ

ELLA How’s your blog going?
JOHN Oh, fine. Good. Very good.
ELLA You haven’t written a word, have you?
JOHN You just wrote “still has trust issues”
ELLA And you read my writing upside down. See what I mean?

ELLA John, you’re a soldier. It’s going to take you a while to adjust to civilian life – writing a blog about everything that happens to you,will honestly help you. Trust me.
JOHN Nothing happens to me.

文字をみてみたら、そんなに難しい単語は使っていません。

せいぜい、

trust issues 信用問題
upside down 逆さまに[で]
adjust to ~に適応する、順応する、慣れる
civilian life 市民生活 (軍人ではない生活といいかえてもよいかもしれません)

ぐらいじゃないでしょうか?だけど案外聴き取りにくかったり、すんなりうかばない言い回しが並んでいます。

たぶん、問題なくききとれるのは、ジョンの最初のセリフ

Oh, fine. Good. Very good.

あとは案外苦労するのじゃないでしょうか。

一つ一つみていきます。

How is your blog going?

字幕では「ブログはどう?」という日本語がついています。

How is it going? という表現はご存じないでしょうか。How are you?よりもう少しくだけた挨拶表現です。「調子はどう?」ぐらいの意味です。
返事は
Good(いい調子だよ)
Excellent(最高だね)
Pretty good(元気です)
Not bad(悪くないよ) などなど。

漠然とitというかわりに、具体的に your blogを主語にしてブログの様子を聞いたのがエラのセリフです。だから、次にジョンが”Oh, fine. Good. Very good.” なんてこたえているわけです。

How is it going?は覚えておいて損のない表現です。How’s it going? のように省略形でもつかいます。How’s your blog going?もそうですが、語尾があがります。

もしできるのなら、少し速度を落として、シャドーイングして抑揚の練習してみるといいでしょう。

You haven’t written a word, have you?

字幕訳「書いてないのね」

意味は字幕訳通りですが、文法でならった要素が二つはいってます。

a. 時制:have+過去分詞 であらわす現在完了です。日本語にない用法なので、苦手な人が多いです。

現在まで(に)
・継続「(ずっと)~している」
・経験「~したことがある」
・完了「~した(し終わった(ところだ)」

have/hasのかわりにhadを使うと、ある過去の時点まで(に)継続「~していた」経験「~したことがある」完了「~した(し終わった)」という意味となります。

ここでは「経験」でしょうか。「今までに一言も書いたことがない」といっているわけです。

b. 付加疑問文

平叙文のあとに疑問文をつけくわえて、「~ですよね?」「でしょ?」と相手に年を押したり、内容を確認する形です。肯定文と否定文で形がちがうので注意です。

肯定の付加疑問文は、コンマ(,)のあと、

最初にくる平叙文をYes、Noでこたえる疑問文にしたらくる単語(be動詞、助動詞、do/does/did)、完了形のhave/has/hadの否定形+主語の代名詞+疑問詞

であらわします。

肯定文
i.be動詞の場合  be動詞を否定形にして使う

You are hungry, aren’t you? おなかすいていますよね?
Nancy is a student, isn’t she? ナンシーは学生ですよね? *sheはNancyの代名詞

ii. 一般動詞の場合  do,does, didを使う
You wrote a blog, didn’t you? (あなたは)ブログを書きましたよね?
Tom writes a blog, doesn’t he? トムはブログをかいていますよね?
Tom and Fred wrote a blog, didn’t they? トムとフレッドはブログをかきましたよね?

iii can やwillなどの助動詞の場合

John can write a blog, can’t he? ジョンはブログを書けますよね?

iv 完了形の場合
John has written a blog, hasn’t he? ジョンはブログを書きましたよね?

否定文  疑問詞は肯定形になります

i.be動詞の場合  be動詞を否定形にして使う

You aren’t hungry, are you? おなかすいてないですよね?
Nancy isn’t a student, is she? ナンシーは学生ではないですよね?

ii. 一般動詞の場合  do,does, didを使う
You didn’t write a blog, did you? (あなたは)ブログを書きませんでしたよね?
Tom doesn’t writes a blog, does he? トムはブログを書いていないでよね?
Tom and Fred didn’t write a blog, did they? トムとフレッドはブログをかきませんでしたよね?

iii can やwillなどの助動詞の場合

John can’t write a blog, can he? ジョンはブログを書けないですよね?

iv 完了形の場合
John hasn’t written a blog, has he? ジョンはブログを書いてないですよね?

And you read my writing upside down.

字幕訳 逆さまから読んでる

文字通り訳すと、「あなたは私の書いた物を逆さまから読んでいる」

このupside のpはわりあい聞きやすいですが、子音だけの音は、聞きにくいということもあります。pはカタカナでかくと「プ」と書いても、実際の発音はpのあとに母音は来ないということが多いです。

この子音だけの音は日本語にはないのが、日本語を母語の人間が英語を聴き取るのがむずかしいと感じる原因の一つです。

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上と下の唇をきつくあわせて息をとめたあと、勢いよく出してみて下さい。pの音を聞き取るのが苦手な場合、この発音方法がわかったからといってすぐに聴き取ることができるわけではないですが、こういう音なのだと意識して聞いたり発音したりしていると、徐々にかわってきますので、あきらめないでやりましょう。

See what I mean?

字幕訳 意味 わかる?

聴き取りも自分出口にするのもできるようになりたい表現です。

「分かるかな?」「分かってもらえた?」「私がいいたいことがわかりますか?」などなど、他の訳しかたもあるはずです。

このまま覚えると使える表現です。seeの前にdo youがつくときもあります。

whatとIは聴き取りが案外難しいです。この動画でも、「ワライ」のように聞こえるかもしれません。tとアイがつながって「ラ」にきこえることはよくあります。逆に、またイギリス英語ではtがきえてwhatが「ワッ」みたいにきこえるときもあります。

It’s going to take you a while to adjust to civilian life

字幕訳 兵士は 日常復帰に時間がかかる

「兵士は」とあるのは、その前のYou’re a soldier.があるからですね。

ポイント
It takes 人 時間 to ~ 「(人が)~するのに(時間が)かかる」
の表現に、be going toがはいったものです。be going toをとばしてしまっていろいろな言い方をしてみるといいかもしれません。


It takes me half an hour to go to the office. 私がオフィスに行くまで半時間かかる。

交通手段を付け加えることも可能です。

It took six days by train and ship to reach Athens. アテネに行くまで列車塗布ねで6日かかった。

writing a blog about everything that happens to you, will honestly help you.

字幕訳 日々起こることを ブログに書けば助けになるわ

writing a blog about everything that happens to you までが主語の文章です。everything that happens to you は直訳すると「あなたにおこるすべてのこと」

honestly(本当に) helpの前にあるこの言葉はアクセントがきて、「本当に役に立つ」「すごく助けになる」といったニュアンスをだしています。

Nothing happens to me.

字幕訳 何も起こらない

「私には」は字幕では抜けています。直訳だと、「自分にはなにも起こらない」です

nothingやsomethingは現在形だと三単現でsがつきます。

これも、知っている単語ばかりなのに、なかなか口にだせない表現です。

こういう表現は、

まずは

聞いてわかるようになる→自分でも使えるようになる

という順序で攻略すればいいでしょうか。

わずか35秒で、物語の展開上、特に重要ではないところですが、案外いろいろありますね。

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