では、ドラマで英語を勉強する上で効果的な方法を具体的にご紹介していきましょう。
今回は、NHKで放送したこともある英国ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」を教材にとりあげます。
このドラマ、教材として選ぶときのお勧めポイントをすべて満たしています。
- ビデオ・オン・デマンド(VOD)で入手できる
- スクリプトが入手できる
- YouTubeでも勉強できる
- 英語
- 勉強本がある
いきなりレベルが高すぎるのではないか、という疑問にもお答えします。
どんなドラマか
現在版のシャーロック・ホームズとして話題になったBBC製作のテレビドラマです。
2010年7月の第1シリーズを皮切りに、2017年まで全4シリーズと特別編が製作されました。各シリーズにエピソードが3本ずつ、特別編のエピソードは1本のみです。
日本では、NHK BSプレミアム、AXNミステリー、NHK総合で放送されました。NHKは吹き替え版でした。AXNは記憶が正しければ吹き替え版と字幕版の二種類がありました。ご覧になった方も多いのでは。
Amazon Prime Video、huluで追加料金なしに視聴できる
Amazon Prime Video、hulu、FODに入会していれば、追加料金なしに視聴できます。
料金は次の通りです。
Amazon 初回30日間無料 500円(税込)
FOD 無料期間なし976円(税込)
Hulu 無料期間なし 1,026円(税込)
まだどこも未加入なら、Huluがいいかもしれません。
Huluには英語学習に役立つサービスがあります。
- 再生速度を変更できる
- 英語字幕で見ることができる
- 携帯電話にダウンロードできる
また、「Hulu 同時字幕で英語学習」というアプリを使うと、さらに
- 映画を同時字幕(英語・日本語)で表示
- 英単語の意味を簡単検索
- 映画のセリフを1タッチでリピート
- 映画のセリフを1回ごとに一時停止
- 巻き戻し秒数を設定
- 映画の再生速度を変更
という機能をつけることができます。英語学習にはぴったりです。
セリフを書いたスクリプトが手に入る
英語学習にドラマを使うなら、スクリプトが入手できるかどうかは非常に大切なポイントになります。
日本でも観ることができる人気ドラマはたいがいスクリプトは手に入りますが、100%ではないかもしれません。学習材料する前に確認しておいたほうがいいでしょう。
スクリプト
シャーロック/SHERLOCKのスクリプトは、シーズン1から4まですべてこのサイトにリンクがまとめてあります。
「スクリプトなど手に入れる必要はないのでは?」と疑問があがるかもしれませんね。
だって、Huluを使うと英語字幕を表示することができるのですから。
英語字幕を楽に読めるレベルであれば、たしかに字幕だけでいいかもしれません。
一方、英語を読むのにまだなれていなければ、限られた時間で英語字幕を読むのはたいへんです。英語字幕に追いつくことができず、ドラマでの学習をやめてしまう場合もあります。
この英語字幕に対応できるかどうかは別の記事でご案内しています。
いずれにせよ、スクリプトは手に入れておいたほうがいいです。英語字幕に対応できない状況なら、画面以外で英語を確認できるスクリプトであれば、時間に追われることもありませんから、ぜひ手に入れましょう。
対応できている場合も、スクリプトはあとで表現をまとめるときにも役立ちますのであって損にはなりません。
英語X日本語表記のコミック
英語のセリフの意味がよくわからない、といらいらされていませんか?字幕で該当箇所をさがすのも面倒くさいですよね。
本でかんたんにチェックできますよ。
バイリンガル版の漫画がでています。
見本ページもあります。
このバイリンガル版のコミックス、5冊でています。
バイリンガル版 SHERLOCK ベルグレービアの醜聞 (上)
バイリンガル版 SHERLOCK ベルグレービアの醜聞 (下)
欄外に日本語が書いてあります。字幕の日本語なのでしょう。意訳になっていますけど、大いに参考になるのでは。
あと、スクリプトで文字ばかりよむよりも、絵があるほうが気楽に読めるかもしれないですね。
英語やイギリス文化をとりあげて説明してくれる巻末コラムも面白いと思われるかも。
とはいえ、絵の好き嫌いはありそうです。Amazonの商品ページでよくみて、購入を決めてくださいね。
YouTubeにもいろんな動画がある
人気ドラマだったせいか、YouTubeにいろんな動画があります。
たとえば上にかいたセリフのシーンがSherlock and John’s First Meeting | A Study In Pink | Sherlock | BBCというタイトルの動画にあがっています。2:43ぐらいからです。
YouTubeに動画があがっていると勉強の上で案外便利だと思うことってあります。
長所をあげてみます。
- 英語字幕を表示できます。
ただし、不完全なものもはいっているので注意は必要です。
- 再生速度をかなり落とせます 0.25、0.5、0.75
これだけ速度を落とすことができれば、マシンガントークも大丈夫!
- シャドーイング用に編集してある動画や、ネイティブが英語で解説する動画など多彩です。
お好みのものが見つかるかもしれません。
長いドラマ本編を直接勉強材料にせずに、短いYouTube動画を使って、何度もくりかえし同じ場面を聴く、というのも、効果的な方法です。
英語がすごい
このドラマ、英語で楽しむ価値が大いにあります。
私はもともと吹き替え版で観ています。よくできたドラマで大いに楽しみました。
その後、字幕版をみてびっくり。日本語版よりもはるかにキャラクターが理解できる英語が聞こえてくるではありませんか。
吹き替え版は標準語に訳されていますよね?
だけど、元の英語はちがうのです。シャーロックを演じるベネディクト・カンバーバッチの英語は王族も話す格式高い“RP”(Received Pronunciation)といわれる英語です。いわゆるイギリス英語というか、キングズ・イングリッシュ(このドラマ当時はクイーンズですね)というか。BBCアナウンサーの英語もこれです。きれいすぎるぐらいきれいな英語なんです。それもとても論理的な内容と構成。そういう英語が膨大な量で、早口でまくしたてるさまは、圧巻です。
ジョン・ワトソンの英語をRPとして紹介している記事もみたことあります。個人的には、ワトソンの英語は、RPとはちょっとちがうような気がしています。標準的なイギリス英語で、やはり聴き取りやすいものです。
他のキャラクターの使う英語も微妙にちがっていますよ。同じロンドン市内在住者というのに、この差はいったいなに?イギリスって階級社会の影響が今だにこれだけ残っているの!?と目を白黒。
英語だけをとってもかなり面白い発見のあるドラマです。
勉強本もでていたりする
英語勉強本がでているドラマを選ぶのも、英語の向上には役立ちます。
独習ではなかなか身につかない知識をあたえてくれます。ドラマで勉強しているうちに浮かんだ疑問が解消されることもあります。
シャーロックをネタに書かれた英語学習本がつぎのもの。
学校で教わる文法って退屈じゃなかったですか?中学はまだしも、高校になると、いったいこれが試験以外の何の役にたつのだ、というかんじで(笑)
実は日常会話にも役立つ大切な知識だったのだ、というのがこの本を読むとよくわかりますよ。
おまけに例文はドラマの中のセリフです。その言葉がでた状況もうかびやすいです。
ただし、「文法」を扱ってますので、ある程度の知識をあらかじめもっていないと、読み進めるのがつらいかもしれないです。中学英語はクリアしている、というのであれば大丈夫でしょうか。
でも難しいのでは…
「いろいろいい点があるのはわかった。でも、難しいのじゃないか」という疑問がでるかもしれません。
いきなりレベルが高すぎるのでは
1本90分というドラマとしては長めの時間の上、マシンガントークがくりひろげられます。
英語学習お勧めドラマにこの作品が選ばれた場合、たいがい上級者向けに分類されています。
そんなドラマに初心者がいきなりとりかかれるのでしょうか?
勉強は低めの目標を設定、後は楽しもう
もちろん、地道に中学英語からやりなおして、基礎をかためてからドラマに挑戦する方法はありです。
だけどこのやり方は、できるようになるレベルに到達するのは案外、難しいというのが個人的な意見です。そこにいくまでに飽きたり、あきらめたりしてしまうんです。
それよりも、いつまでも使える教材で、達成レベルを変えてみるのはどうでしょう。「今よりも少しレベルアップする」というのを目標にして、とりかかるわけです。目標をクリアすれば、その部分だけでもわかるようになりますからね。
まずは低めの目標を決めて、目標をクリアします。クリアできれば、勉強した部分はわかるようになりますよ。
そしたら、自分は偉い、と自分をほめてしまいましょう。そうしているうちに、勉強する習慣がついていけば、しめたものです!
勉強すると決めた以外の部分は、気楽に楽しんでいいんです。それでも、終わったときにはかなりレベルアップしていることでしょう。
次のドラマにとりかかるときには、もう少し目標を高くして取り組めば、どんどんレベルアップしていきます。
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